出演
上川隆也 内山理名
キムラ緑子 池田成志 波岡一喜
六平直政 平幹二朗
みどころ
NHKドラマ『大地の子』で主役に抜擢、大河ドラマ『功名が辻』の山内一豊役や『スワンの馬鹿』などテレビ、映画、舞台で幅広く活躍する上川隆也、新歌舞伎座初登場!
初の舞台化、池波正太郎『その男』 戦後を代表する時代小説・歴史小説作家の池波正太郎。 『鬼平犯科帳』、『剣客商売』、『仕掛人・藤枝梅安』など、彼の小説を原作として、映画、舞台、テレビドラマなどで数々の傑作が生まれました。 『その男』は、1970年「週刊文春」に連載された小説で、今回が初舞台化となります。 世の中の流れに翻弄されることなく、幕末、明治、大正、昭和を“真っすぐに生きぬいた”主人公、杉虎之助を演じるのは、俳優、上川隆也。映画、ドラマ、演劇と話題作に次々出演し、その誠実な演技により人気を不動のものにしています。激しい時勢の中を“真っすぐに生きた”虎之助には、彼をおいてはありえません。そして虎之助の人生の師、池本茂兵衛には、平幹二朗。圧倒的な存在感で虎之助の人生を導きます。 脚本は“大人のエンターテインメント”創作の名手、鈴木聡、演出は、八面六臂に活躍中のラサール石井が、そして音楽は、津軽三味線の新しい可能性を追求する注目のアーティスト、上妻宏光。 「世の中が、いかに変わろうとも、人間の在り方に変わりはない」 池波正太郎のこのメッセージが、最高のキャスト・スタッフの手によって結実し、心に深く響く作品になるに違いありません。
ものがたり
主人公、杉虎之助(上川隆也)は微禄ながら旗本の嫡男。生来の病弱に加えて義母にうとまれ、そんな我が身を儚んで十三歳のとき大川に身を投げるが、謎の剣士・池本茂兵衛(平幹二朗)に助けられた。この日が波乱の人生の第一歩だった。 その後、茂兵衛を師と仰ぎ江戸に戻った虎之助、十九歳。叔父、山口金五郎(六平直政)との久々の再会。謎の女、秀(キムラ緑子)と出会い、また、人生最大のライバル、中村半次郎(池田成志)や生涯の友、伊庭八郎(波岡一喜)との交友を深める虎之助は、幕末の風雲急をつげるそのころ、京に上り、茂兵衛が幕府の隠密であったことを知る。師とともに薩摩の行動を探索する礼子(内山理名)に恋し、それを助ける虎之助。
薩摩との暗闘は虎之助の想像を超えたものになろうとするとき、茂兵衛は告げる。「江戸に戻れ。礼子と所帯を持って世の流れに関わりなく生きよ。」そして、幾ばくかの平穏とささやかな幸せのとき。でも世間は剣士、杉虎之助を放っておくことはしなかった・・・・・。
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